2011/05/01 (日)

歯が浮くとは?

歯が浮くとは、「軽薄な言動に接して、不快な気持ちになる」という意味もありますが、仕事が忙しくて疲れがたまっているときに、実際に歯が浮いているように感じたことはありませんか? 歯の根元の部分と骨の間には歯根膜という膜があります。この歯根膜は歯の根元と骨の間でクッションの役割をしていて、噛むたびにわずかに上下に動き骨へのショックを吸収しています。歯が浮いた感覚を感じるときは、この歯根膜の毛細血管が腫れて、炎症を起こしている場合が考えられます。

硬いもの食べるときに無理な力を入れて噛んだり、運動をしているときなどに歯を食いしばったりすると、歯根膜が圧迫されて痛んで炎症を起こすケースがあります。歯を噛みしめる癖がある人や、お酒を飲みすぎたりすることで、歯が浮いたように感じるともあります。このような原因で歯が浮いたような感じがしていたのであれば、十分な休養を取ることによって、歯が浮いた感覚はなくなると思います。しかし、むし歯や歯周病が原因で歯が浮いたように感じる場合は注意が必要です。

むし歯を治療しないままの状態で放置しておくと、疲れたときなど身体の抵抗力が低下し、お口の中でむし歯菌が活発になり、神経が炎症を起こして歯根膜にまでに達すると歯が浮いたような感じがします。歯が浮いたような感覚が長く続く方は、むし歯が原因の可能性もあります。

また、歯周病菌が活発になると歯茎が腫れて歯が浮いた感覚を感じることがあります。歯周病は自覚症状がない方が多いので、本人が気付かない間に進行し、疲労などで身体の抵抗力が落ちると歯茎の腫れを引き起こしてしまいます。歯が浮いた感覚は一時的には解消するかもしれませんが、歯周病自体が治ったわけではありませんので、歯科医院で相談されることをお勧めします。

歯が浮いた感覚が疲れなどによって引き起こされる一時的なものであれば、それほど心配する必要はないかもしれません。しかし、歯が浮いた感覚を頻繁に感じられる方は、むし歯や歯周病が原因で歯茎が腫れている可能性がありますので、歯科医院で検診を受けられることをお勧めします。

<2011年5月1日更新>

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