2011/08/01 (月)

歯周病は妊娠を遅らせる?

世の中には面白いことを研究する人がいるものです。AFPBBニュースによると、7月3日から6日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州ヒト生殖学会で、西オーストラリア大の研究チームが、歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすという研究結果の発表を行っています。

西オーストラリア大の研究チームは、西オーストラリア州でアジア系を中心とした若い妊婦3416人を対象に医学的調査を行いました。その結果、妊娠までの期間は、喫煙や体重などの要因を加味した場合でも、健康な歯ぐきを持つ妊婦では平均5か月だったのに対し、歯周病の妊婦では平均7か月を要していたことがわかりました。歯周病は妊娠を平均で2か月遅らせる可能性が示されたとし、この数字は肥満女性の場合とほぼ同じ結果だったとしています。

この研究を担当した医師らは、妊娠が遅れる原因は口腔細菌が引き起こす炎症にあると考えているようです。口腔内の炎症が生殖系の組織に波及効果をもたらしている可能性があるとし、妊娠を望む女性は歯ブラシとデンタルフロスで歯みがきをこまめに行うことが必要だとしています。歯周病が妊娠成功率に影響を与える可能性が示されたのは今回が初めてなので、本当に因果関係あるのか今後の研究に注目してみようと思います。

ところで、昔のお母さんたちは、『妊娠中は胎児にカルシウムが奪われ歯が衰える?』とか『赤ちゃんを産むと歯がなくなる?』と、妊娠が影響して健康な歯が失われることを心配していたようです。実際には、妊娠中に歯ブラシを口に入れると気持ち悪くなったりすることなどもあり、お口のケアが疎かになりむし歯や歯周病になったのが原因のようです。先ほどの歯周病と妊娠成功率に因果関係があるかは別として、妊娠を望まれる方はお口のケアにもちょっと気を配ってみてはいかがでしょうか。

<2011年8月1日更新>

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