2011/12/30 (金)

ヨーグルトに8020の文字?

ヨーグルトのパッケージに8020の文字がプリントされているではありませんか。8020といえば、日本歯科医師会が呼び掛けている “80歳になっても20本以上自分の歯を保とう”という「ハチ・マル・ニイ・マル」運動を思い浮かべます。むし歯予防にいいと言えば、キシリトール入りのガムを思い出すのですが、ヨーグルトが歯の健康にいいとは聞いたことがありませんでした。

広島大学大学院医歯薬学総合研究科の二川浩樹教授が、むし歯菌と歯周病菌を減らす効果がある「ラクトバチルス・ラムノーザスK03株」という乳酸菌を発見しました。四国乳業さんと共同開発をして、全国で初めてむし歯と歯周病を減らす効果のあるヨーグルトを開発したのだそうです。

二川教授らは、学生ボランティア50名が、毎日お昼休みにこのヨーグルトを1個ずつ、2週間食べるという実験を行いました。この結果、「8020ヨーグルト」を食べたグループでは、むし歯菌は80%以上、4種類の歯周病菌は40~90%減少させる効果が認められ、むし歯菌と歯周病菌を同時に抑制する効果が実証されました。

この話を聞くと毎日の歯みがきが必要なくなると思われるかもしれませんが、二川教授は、「むし歯の進行は抑えられないが、新たに発生するリスクは抑えられる。歯周病の改善も期待できる。歯磨きが難しくなるお年寄りに食べてもらいたい」と話していますので、歯みがきはこれまで通り正しく行う必要があります。

歯を失う原因の90%はむし歯と歯周病です。成人の80%は歯周病になっているといわれるほど誰もが注意しなければならない病気ですが、はじめは自覚症状がありません。歯が健康なときからこのヨーグルトを食べて、口の中の細菌を減らすことを習慣化し、歯周病予防の対策のひとつとして取り入れると効果があるかもしれません。

このヨーグルトは「8020運動」にかけて、二川教授が「L8020菌」と命名した乳酸菌が使われていることから8020ヨーグルトという商品名が付けられています。商品化した四国乳業さんには、歯みがき同様、1日1回8020ヨーグルトを食べることを習慣化して欲しという思いがあるようです。8020ヨーグルトを毎日食べることによって、歯の健康について意識が高まればいいですね。皆さんもスーパーやコンビニで8020ヨーグルトを探してみてはかがでしょうか?

(参照:広島大学ホームページ)

<2011年12月30日更新>

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