2012/04/01 (日)

先進医療とインプラント!

患者さんが治療方法を選ぶ時代になりましたので、「先進医療」という言葉をよく耳にするようになりました。先進医療とは、厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養のことです。一般的な保険診療を受ける中で、患者さんが先進医療を希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われます。

先進医療は保険診療との併用が認められていますので、先進医療にかかる技術料以外の診察・検査・投薬・入院料などは健康保険の給付対象となり、その分患者さんの自己負担が軽減されます。ただし、先進医療の技術料は健康保険の給付対象外となりますので、全額患者さんの自己負担となります。

ガンの治療で行われる先進医療の中で、重粒子線治療や陽子線治療といった治療効果が高い医療技術は、300万円近い医療費が患者さんの全額自己負担になってしまいます。このような医療を受けるためは経済的なゆとりがある人以外は、民間の医療保険に頼らざる負えないケースも増えてきています。

歯科治療の中でも先進医療に該当する「インプラント義歯」がありますが、民間の医療保険から「インプラント義歯」にかかった費用を、先進医療保障の保障対象として、保険会社に全額負担してもらえる場合があります。ただし、注意が必要なのは、民間の医療保険の先進医療の保障対象になるのは、『①厚生労働大臣が定めた医療機関で、②一定の条件に該当する理由でインプラントを受けたとき』に限られます。2012年3月16日現在で、厚生労働大臣が定めた要件を満たしている医療機関は、全国で59件だけです。

一般的にインプラントは自由診療にあたりますので、健康保険の対象外であるのと同時に、民間の医療保険でも保障の対象外です。1本が数十万円する治療費は全額患者さんの自己負担になります。ただ、あまり知られていないのですが、歯周病などの病気が原因で歯を失った場合に、インプラント以外に治療法がない場合は、民間の医療保険の『手術給付金の支払い対象』になる場合があります。もちろんむし歯が原因で歯を失ってインプラントをする場合は対象外です。心当たりのある方は、保険会社の担当者に相談なさってはいかがでしょうか。

(参照:厚生労働省ホームページ)

<2012年4月1日更新>

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