2012/06/29 (金)

良く噛んでと言われるけど、どうして30回?

子どもの頃からゆっくり良く噛んで食べるように言われてきたものの、その回数がどうして30回なのか疑問に思ったことはありませんか?良く噛んで食べることは、だ液の分泌を促し虫歯予防に効果があります。また、食事にゆっくり時間をかけることで脳にある満腹中枢が働いて、食べ過ぎを防ぎ肥満予防に効果があると言われています。

しかし、実際に30回噛み続けるとアゴもだるくなってしまい、時間も相当かかります。本当に30回も噛む必要があるのかと思いながらついつい噛んだ回数も忘れ、すぐに食べ物を飲み込んでしまいがちです。

ではこの30回噛むということを誰が言い始めたのかというと、フレッチャーさんという100年前のアメリカ人のようです。当時のフレッチャーさんは40歳そこそこの若さで、時計商を営み裕福な生活をしていたそうです。世界中から食材を取り寄せ、自分専用のコックを雇うほどの美食家でした。なので、ご想像のとおり、身長は170㎝くらいで体重は100㎏もあったそうです。いわゆる超メタボ体型だったのです。

心臓の異常をはじめ、健康の不安を感じるようになったフレッチャーさんが生命保険の加入を試みましたが、これを断られたことがショックで一大転機が訪れたようです。色々な健康法を探しているときに耳にしたのが、イギリスのグラッドストーン首相が言った言葉です。「食べ物を十分に噛む、私たちの歯は32本あるので32回噛むようにしている。これを終生行うことが私の健康法です」と言っていたグラッドストーン首相が85歳まで元気だったことに影響を受けたようです。

このことがきっかけで、ゆっくり味わいながら食べる健康法を試みると、どんどん体重が減少し健康状態も回復したそうです。79歳で亡くなったフレッチャーさんは当時のアメリカでは長生きだったようです。フレッチャーさんが実践した健康法は「フレッチャーイズム」と呼ばれ評価されるようになりました。彼が実践した食事法は、「1.時間をかけてよく噛んでから飲み込む 2.本当にお腹が空いた時だけ食べる 3.無理に食材を選ぶ必要は無い 4.食事という行為を心から楽しむ 5.腹八分目」というシンプルなものです。皆さんも歯の健康とダイエットのために、30回噛む健康法を実践されてはいかがでしょうか?

参照:フレッチャーさんの噛む健康法

<2012年6月29日更新>

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