2012/09/01 (土)

そこのあなた、アゴをつきだしてパソコンをのぞきこんでいませんか?

東京医科歯科大学の木野孔司准教授は「この十数年で顎関節症の新規患者数が増えたのは、パソコンが普及したことが原因の一つ」とみているようです。パソコンがなくて鉛筆やペンで文字を書いていた時代は、長時間ものを書いたりすると手が疲れてしまって、自然と数十分ごとに休憩をしていたので長時間同じ姿勢でいることが少なかったのではないでしょうか。

ところが、パソコンが普及すると手でものを書いていた時代に比べると手が疲れることが減り、同じ姿勢でパソコン向かっていることが苦にならなくなり、長時間同じ姿勢を続けるようになってしまったのではないか。特にパソコンの画面に向かっているときに、下アゴを突き出すような姿勢で画面を見る癖のある人は、アゴのへの負担が大きく顎間接症の一因になるのではないかと注意を呼び掛けています。

顎関節症は一生の間に日本人の2人に1人が経験する身近な症状で、「アゴが痛い」「口を大きく開けられない」といった症状を経験されたことがある人も多いのではないでしょうか。口を開け閉めするときに「カクン」というような音がするだけであれば深刻な状況でない場合が多いのですが、「口を大きく開けられない」とか「口を開け閉めするときに痛みがある」と治療が必要になってきます。

以前は顎関節症の原因はかみ合わせや歯並びと考えられていましたが、最近では生活習慣に原因があると考えられるようになりました。日頃の生活の中でアゴに負担がかかる習慣がある人は注意が必要です。例えば、『歯を食いしばる』、『ほおづえをつく』、『寝転がって本を読んだりテレビを見る』、『パソコンの画面などを見続けて、同じ姿勢を長時間続ける』、『うつ伏せで寝る』など、顎関節症の原因になりやすい生活習慣がありますので、これらに心当たりがある方は注意が必要です。

日本歯科医師会のホームページでは、顎関節症の自己チェックの方法として、次の7つのチェック項目をあげています。

□ 食事の時あごが痛くて噛めない。
□大きなあくびやリンゴの丸かじりができない。
□人差し指、中指、薬指の 3 本を縦に並べて口に入らない。
□口の開け閉めで、耳の周りに音(カクカク、シャリシャリ)がする。
□食べ物を噛んだり、長い間しゃべったりすると、あごがだるく疲れる。
□耳の前やこめかみ、頬(ほほ)に痛みを感じる。
□最近、あご、首(頸部)あるいは頭を打ったことがある。

この中で1つでも思い当れば、かかりつけの歯科医院に相談されることを勧めています。

普段何気なく行っている習慣が、顎関節症を引き起こす原因になってしまいます。便利になったパソコンやインターネットでさえ、間違った姿勢で長時間同じ姿勢を続けているとアゴへの負担が大きく顎関節症の原因の一つになってしまうかもしれません。パソコンを使う機会が多い人は定期的に休憩を取ることを意識して、同じ姿勢が続かないように、そして時々軽く体を動かすなどして、体の負担を和らげてみてはいかがでしょうか。

参照:日本経済新聞ホームページ

<2012年9月1日更新>

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