2014/01/05 (日)

脂肪肝が気になる人は、歯周病にもご注意を!

口の中には細菌が700種類以上もいると聞くとゾッとするかもしれませんが、すべてが悪いものではありません。しかし、病原性のないもの以外に、糖分からできた酸によってできる虫歯菌や歯周病菌は体に悪影響を与えます。これらの菌は、口の中への影響にとどまらず、全身疾患にも悪影響を与えるということで、米国では心臓病学会と歯周病学会が共同で、歯周病と心臓病の関係を研究しているようです。

日本でも虫歯菌や歯周病菌と生活習慣病との関係を調べる研究がされています。実験用のマウスを脂肪肝の状態にして、歯周病菌が与える影響についての実験結果が報告されています。マウスを脂肪肝の状態にするために、脂肪分の多い食事を4週間与えて、その後に歯周病菌を感染させた状態にします。この状態から、与える食事の内容を変えた2つのグループに分け、どのような差がでるかという実験なのですが、実験用とはいえマウスを無理やり脂肪肝にさせるのはちょっとかわいそうですね。

脂肪肝のマウスが歯周病菌に感染したのちに、引き続き脂肪分が多い食事を8週間与えると、マウスの肝臓が線維化するということが確認されたそうです。人間の肝臓が線維化していくということは、肝臓の組織が変化して、肝臓が硬くなってしまい肝硬変に進んでいくということです。肝硬変の状態が長く続くと、肝がんになるリスクが大きくなります。

不安をあおるようなことばかり言ってしまいましたが、先ほどの脂肪肝のマウスで、歯周病菌を感染させた状態でも、その後に正常な食事を与えると、マウスの肝臓は変化しないということです。ある程度の年齢になれば脂肪肝が気になっている人が増えてくると思いますが、食事に気をつけるようにすれば、直ぐに肝硬変になってしまうと過度に不安に思う必要はないようです。

これまで虫歯菌や歯周病菌は口の中だけの問題を思われていたかもしれませんが、これらの菌は、血液を伝って私たちの体中を巡ってしまい、生活習慣病にも悪影響を与えているとみられるようになりました。生活習慣の予防に、バランスのとれた食事、規則正しい食生活と適切な運動が必要とされていますが、さらに、歯周病予防など歯の定期的なお手入れも効果を発揮します。脂肪肝など生活習慣病のことが気になっている方は、お口の中が健康な状態に保たれているか定期的にチェックすることが大切ですね。

参照:日本経済新聞 ホームページ

<2014年1月5日更新>

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