2014/04/03 (木)

かわいそうなキリンのホップ

3月24日に横浜市立金沢動物園で、1歳のオスのキリンが死んでしまいました。原因は歯周病です。3月中旬ころからよだれが大量に出るようになったので治療をしていたようですが、歯周病で食べ物を取ることができなくなり衰弱死したのです。

歯周病は私たち人間だけのことかと思っていましたが、犬やネコなどのペットも歯周病になる可能性があります。ご家庭でペットを大切にしているかたはご存知だと思います。ペットの口臭が強くなったり、口の中が出血するようなことが多くなれば、歯周炎を疑う必要があるようです。ペットの口の中も、日頃からチェックして、口の中の色に変化がないか注意してあげることが大切です。

日本人の成人の8割が歯周病になる可能性があるといわれていますが、その原因は歯垢です。歯垢は口の中の食べかすではなく、細菌のかたまりです。歯垢1㎎には約2.5億個の細菌がいるといわれ、細菌が繁殖すると歯肉炎を起こし、歯周病の原因となります。

歯周病にならないためには日頃の正しいブラッシングが大切ですが、最近ではそれに合わせて歯肉マッサージが効果的であることが分かっています。歯肉をマッサージすることで血行が良くなり、歯茎が引き締まってくる効果があります。

日本経済新聞で紹介された記事によると、歯肉マッサージは、力任せにゴシゴシこすったり、長時間行えばいいわけではないようです。神奈川歯科大学准教授の山本龍生先生が行った実験では、1カ所につき200gの圧力で、約20秒行ったとき、最も歯肉マッサージの効果がありました。「だいたい、鉛筆の文字を消しゴムで消すくらいの強さが目安です」と山本先生は説明しています。

キリンのホップのように歯周病が原因で大切なペットを失わないようにするためにも、ご家庭ではペットを含め家族みんなで、お口の中の健康に関心を持ち、正しいケアをする習慣を身に着けることが大切なようです。

参照:日本経済新聞 ホームページ

<2014年4月3日更新>

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