2014/05/02 (金)

いくつになっても食べる楽しみを!

2035年には世帯主が65歳以上の高齢世帯が日本の世帯の4割を超え、すべての世帯に占める一人暮らしの割合が3分の1を上回るようになるようです。年を取って一人で暮らすということが、将来の日本人のライフスタイルの主流になるのかもしれません。今のところ65歳以上の高齢世帯が4割を超えるのは秋田県だけですが、2035年には41道府県が現在の秋田県と同じように、若者が少なくなり高齢者が多い街になるということです。

高齢者の口腔ケアでは、若い人とは違った点にも注意を払う必要がでてきます。高齢になると病気をきっかけに、摂食障害や嚥下障害という、ものを食べることが難しくなるトラブルが発生することがあります。自分で食べ物を食べる力や飲みこむ力が衰えると、誤嚥性肺炎に気をつけなければなりません。唾液や食べ物、胃液などが気管に入ってしまうと、食べ物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入って誤嚥性肺炎を引き起こします。高齢者にとって肺炎はとても怖い病気です。

人間にとって自分の口から食事をとることは楽しみの一つです。嚥下障害が悪化すれば、自分でものを食べることができなくなり、胃瘻をつかって栄養を取るという選択肢もでてきます。こうなると食べる楽しみも減り、体も弱っていくようになります。

高齢者の口腔ケアでは、自分でできるだけものを食べられるようにして、お口の中の細菌をコントロールしていくことが、誤嚥性肺炎の予防や、健康の維持のためには大切なケアになります。これからますます高齢化が進む日本にとって、一人で暮らす高齢者の健康を支えるために、医療や介護の現場と地域が連携して、お口の中のケアに取り組むことが求められる時代になるのではないでしょうか。

参照:朝日新聞デジタル ホームページ

<2014年5月2日更新>

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