2015/01/05 (月)

がんの治療前にも「お口の中のケア」が大切!

直接関係ないように思えるかもしれませんが、がんの治療前の口腔ケアが重要視されるようになっています。がんの治療に伴って食事がとれなくなったりすると、栄養状態が低下しお口の中のトラブルが発生することがあります。治療の影響で口内炎ができることもあれば、虫歯や歯周病の痛みで食事や睡眠がとれなくなると、がん治療の成果を十分に得ることができなくなると考えられるようになりました。がんの治療は体への負担だけでなく精神面にも負担が大きいので、治療中においしく食事ができることや、楽しく会話ができることは、がんの治療の大切な役割なのです。

特に、がん治療の中でも抗がん剤治療は、口内炎に注意する必要があります。治療開始後3~7日頃になると、抗がん剤の分解物の一種のフリーラジカルによって口内炎ができることがあります。抗がん剤の種類によっては、治療後の10日から2週間前後に白血球数が低下することがありますので、その影響でも口内炎ができることがあります。治療開始後にフリーラジカルによってできた口内炎が治らないまま、白血球数が低下して口内炎ができると重症化してしまいます。

また、口の中や頭頸部への放射線治療をする場合は、口の中の粘膜や唾液腺がダメージを受け、口の中が荒れることや、乾燥したりすることがあります。このような治療を受ける場合は、歯みがきのときに口の中の粘膜を刺激しないように注意をすることが大切です。唾液の量が少なくなる場合は、こまめに水分を補給することや、唾液が出やすい食べ物をとるようにすることも効果的です。口の中の細菌をコントロールして歯の健康を守る唾液が減ると、虫歯もできやすくなりますので歯の定期検診が欠かせません。

以上のように、ガン治療と口腔ケアは密接な関係がありますので、がんを治療する前に口腔内が万全な状態であることが理想的です。治療前にしておきたいことは、口腔内のチェック、クリーニング、セルフケアの指導を受けることです。糖尿病や心臓病にも口腔ケアが治療の成果を高めるといわれるようにもなりました。お口の中の健康を保つことは、むし歯や歯周病の予防だけでなく、がんなどの病気になったときにも大切です。まずは、日頃からお口の中のケアを怠らないようにしたいものですね。

参照:がん治療を受ける患者さんへ 口腔ケアハンドブック


<2015年1月5日更新>

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