アンチエイジングは虫歯予防にも効果あり?
『「糖質オフ!」健康法』の著者である江部康二先生をご存知でしょうか?今年65歳になった江部先生は、老眼鏡なしで広辞苑が読め、白内障もなく、夜トイレに行かなくても7時間の睡眠時間をきっちりとれるほど若さを保っています。血圧と血液検査の結果もすべて正常値だそうです。そして、なにより65歳になった今でも、自分の歯がすべての残っているそうで、これだけみても日本人では100人に2人から3人の割合しかいないそうです。
江部先生によると、狩猟採集をしていた縄文人の虫歯率が意外に高かったのは、糖質を取っていたせいではないかと言っています。縄文時代は狩猟をして肉を主に食べていたと思われがちですが、実際には木の実を採集して食べる方の割合が高かったようです。木の実には糖質が含まれていますので、これが虫歯に影響しているのではないかというのです。農耕が始まり糖質を食べるようになって虫歯が倍増した例はいくつかあるようです。
縄文人と同じように狩猟採集をしていた、3000年前のアメリカ先住民の虫歯率が2.4%だったのに対し、縄文人の虫歯率は8.2%でした。ちなみに近代のグリーンランドで狩猟採集をしているイヌイットの虫歯率が2.2%ということですから、狩猟採集をして暮らしているにしては、縄文人の虫歯は多いようですね。
縄文時代に入る前の旧石器時代では、ナウマンゾウやマンモスなどの動物の猟をして暮らしていたので、この時代の日本人は糖質を取る機会がほとんどなく、虫歯率がほぼゼロだったそうです。日本人が歯ブラシで歯みがきをするようになったのは明治以降と言われています。歯を磨くようになっても日本人の虫歯率は8%どころではありませんので、歯みがきをしない旧石器時代の虫歯率が低いのは、確かに糖質の影響が強いのかもしれません。
現在は超健康優良の江部先生も、52歳のときに糖尿病が発覚したそうです。それ以来13年間、糖質制限食を続けることによって、現在の健康を維持できるようになったそうです。アンチエイジングに興味がある方は江部先生の本を読んで、糖質の摂取について少し気にかけてみてはいかがでしょうか。アンチエイジング効果で若さを取り戻せるだけでなく、虫歯予防の効果もあるかもしれませんね。
参照:毎日新聞 ホームページ
<2015年8月3日更新>